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パキスタンで行われたフラッシュモブに反発の声も高まる
パキスタンのファッションブランドが9月初めに宣伝キャンペーンとして、ラホールの市場でフラッシュモブを披露しました。
一人の女性ダンサーを中心に、大勢の人が集まる広場で行われたのですが、大きな反発を巻き起こし話題となります。
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目的は一体何だったのか?
一体、何を目的として行われたのかが気になりますよね。
混雑するラホールで洋服ブランドが広告のために行ったのは、あるメッセージを伝えるためでした。
伝えたかった、メッセージとは・・・
それは、「女性はやりたい通りにするべき」と言うメッセージを伝えるものでした。女性が力を獲得することについて語っています。
「女性にもっと力を。力を持てば、もっと自分がやりたいことが自由にできる。」
これは、女性の社会進出がまだまだ根付いていない厳格なイスラムの世界に変革を与えるためのものだったのかもしれません。パキスタンでは、女性が外を歩くことさえままならないケースも数多く存在しています。教育を受けることさえも困難な状況にあるのです。そんなパキスタンに対する熱いメッセージを込めたものだったのでしょう。
反発する声が多く、問題となった
しかし、女性の社会進出のためにはイスラム教との折り合いをつけて教育を受ける必要があるのです。多くの人達はそれを認めようとはしませんでした。多くの反発の声が上がっています。
「ここがパキスタン、イスラム共和国であることをお忘れなく。こんなことを広めるべきではない。これは、イスラム教に反している。馬鹿者め。」
「自分の好きなことをするために、宗教や文化の価値観を壊す必要はない。」
「じゃあ、ただ洋服を売るために男性の視線に向けて踊ることがフェミニズム?」
「自分に何ができるのか人に言われる必要はない。特にどうやるべきか指図はご無用。」
「これは女性の地位向上なんかじゃない。女の子の策士だ。」
「女性が力を獲得することと、人力車の引手や店の主人を観客に市場の真ん中で踊りだすこととは何の関係もありません。もし女性に力を与えたければ、自分の息子を扱うように娘を扱う事から始めたらいいのです。」
このように、イスラム教に反することとされている女性の社会進出は多くの非難の声を浴びる結果となったのです。それは、出演をしたダンサーたちにも被害が及びました。
反発の結果・・・
反発が高まったため、ダンサーの一人はフェイスブックを閉鎖しました。誹謗中傷の書き込みが相次いだからです。現在、洋服ブランドは、広告とキャンペーン全体を取りやめました。会社側はこのように発表しました。「観客は踊りを楽しんだけれど、出演女性たちがネットいじめに合い安全が脅かされたと。」
世界の多くでフラッシュモブによる活動は認知されていますが、必ずしも全ての国がそうであるとは限りません。パキスタンのように女性に対して厳格さがある国での露出した大胆な踊りは卑猥な行為として見られてしまうのです。考え方のすれ違いでここまでの問題に発展してしまうのですね。
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