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フラッシュモブの事をもっと知りたい方へ
最近何かと話題のフラッシュモブ。
「なんだ、知ってる。結婚式のサプライズ余興でしょ?」と思っている人、ちょっと待った!!
もちろん、結婚式のサプライズ演出としてのパフォーマンスも大人気ですが、フラッシュモブの面白さはそれだけではないのです。
実はフラッシュモブは、歴史は浅いながらも興味深い起源があり、短期間で変遷を繰り返し、日々新しい姿を模索している注目の芸術でもあるのです!
今回は、フラッシュモブの歴史・起源から最近のフラッシュモブ事情まで、多くの人々を魅了するフラッシュモブの魅力をみていきたいと思います。
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フラッシュモブの歴史は短い?
フラッシュモブの始まりは2003年ニューヨーク。
雑誌記者のビル・ワジクのちょっとしたイタズラでした。
『不特定多数の人にメールで呼びかけたら、一体どんなことが起こるか?』
方法は簡単です。
メールで同じ時間、同じ場所に集まるように誘います。
このイタズラは、インターネットで紹介され、多くの人の知るところとなります。
「意味はないけど、なんだか面白そう」
その時間、その場所に、そう思った人達が次々に集まり、皆熱狂したと言われれています。
その1年後。
初めて「フラッシュモブ」という言葉が権威ある辞書に収録されました。
その時のフラッシュモブの定義は
公共の場所に見ず知らずの人々がネットを通じて集められ、訳の分からない行動をし、その後立ち去る
というものだったそうです。(引用元:ウィキペディア)
意味不明の行動とされていたのですね。
フラッシュモブ大流行のきっかけは?
フラッシュモブが爆発的に人気を有することになったきっかけは、2008年のニューヨーク、グランドセントラル駅で行われた『フローズン・グランド・セントラル』です。
仕掛け人はパフォーマンスアートグループ“インプロブ・エヴォリホェア(Improv Everywhere)”
ラッシュアワーのグランドセントラル駅で、200人もの人々が突然、一斉にフリーズします。
バナナを食べてる途中の人、手をつないで駆け出す瞬間のカップル、書類をばら撒いて拾おうとかがみこんだサラリーマン…。
5分間ピクリともしない様子は、異様ですが、徐々にパフォーマンスに気がついた人達が立ち止まり、様子を伺い始めます。
そして、フリーズが溶け、止まった時計が動き出したかのように、何事もなく日常に戻っていく中、駅構内は盛大な拍手に包まれたのです。
この動画が公開されると、その影響は世界中に拡散され、多くの類似パフォーマンスが世界各国で行われていきます。
この爆発的な広がりがフラッシュモブが世界から受け入れられた証でしょう。
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みんなでシャボン玉を飛ばそう
心温まるロシアのフラッシュモブもあります。
SNSでの呼びかけに、1000人以上が参加した企画。
時期は、リーマンショックのあと、ロシア国内に貧富の差が拡大した頃です。
社会の閉塞感をどうにかしたいという思いをシャボン玉に乗せて飛ばしたのかもしれません。
稼げる仕事を求めて、モスクワに出稼ぎに来ている人。
目の前の生活に疲れてしまった人。
自分ではどうにもならない喪失に後悔の気持ちが消えない人。
そんな参加者が、一瞬でもフラッシュモブの中で前向きな気持ちを得て、不思議と救われたといいます。
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フラッシュモブの起源は日本!?日本におけるフラッシュモブの広がり
吉野家オフについて
フラッシュモブの起源は日本にあるという意見があるのをご存知でしょうか?
現在のフラッシュモブとは少々異なった様相ですが、『吉野家オフ』や『吉野家同時多発オーダー』と呼ばれるちょっと困った行為が度々行われていました。
これは、2チャンネルで突発的に企画された“お祭り”で、日時を決めて吉野家に行き、一斉に同じメニューを注文したり、2ちゃんねら用語(2チャンネルユーザーにしか通じない言葉使い)を連発するというものでした。
店内は、普段はあまりオーダーされない「ネギダク」という、ネギ大盛り注文の連続に大混乱になったそうです。
それに続いて、
「お茶キボンヌ」(お茶来てません)
「水おながいします」(「水お願いします」のスラング的表現)
などの、2ちゃんねら用語が飛び交います。
昔流行った“ドッキリ”みたいですよね。
では実際に、吉野家同時多発オーダーに参加したという男性の声をご紹介しましょう。
こんなことをして一体何が楽しいのか、と言われたら確かに謎なのだが、こういった形での「祭り」にはOFF会とは違った形での面白さがあるようだ。OFF会との差異を挙げるのならば、OFF会とは違ってこの「祭り」は集団を形成しない。しかしだからといって参加者の同一性が確保されていないか、と言えばそうではなく、それは「大盛りネギダクギョク」というオーダーによって保証されている。今回の「祭り」で面白いのは、吉野家で同時多発オーダーを行う各々の行為者は一見コミュニケーションを目的としているわけではないように見えながら、その実2ちゃんねらという同一性に保証されて確実にコミュニケーションを行っているし、むしろその場での緩いコミュニケーションが「祭り」を楽しげなものとして成立させている、ということだ。
これを、フラッシュモブの起源と言ってしまっては、フラッシュモブ関係者の方たちに怒られてしまいそうですが、要は、みんな、イタズラが大好きということなのでしょう。
でも、誰かに迷惑をかける行為は褒められたものではありませんが・・・。
マトリックスオフについて
また、マトリックスが大流行した2003年6月8日。
「マトリックスオフ」なるイベントが渋谷駅北口を舞台に行われました。
マトリックスリローデッドの登場人物ネオ(キアヌ・リーブス)とエージェント・スミス(ヒューゴ・ウィーヴィング)に扮した不特定多数の参加者のを募り、撮影や殺陣を行い映画公開を盛り上げました。
始まりは10数人だった参加者が、15日の「第2弾マトリックスオフ」では、100人以上のエージェント・スミスが参加し、見物人や通りがかりの人たちを巻き込んで大盛況となりました。
このイベントが、マトリックスファンの間で拡散され、全国各地で「マトオフ」が行われるようになります。
これが、映画制作会社や配給元の企画なら単なるプロモーションの一環なのでしょうが、特筆すべきは、こちらの企画も、2チャンネル上の名も無い一派人が発案者だということです。
当時は「コスプレ・オフ会」とされていましたが、今から考えると、この企画もフラッシュモブに通じるものがあると考えることができるのではないでしょうか。
日本公開記念イベントに訪れていたキアヌ本人も、この盛り上がりを目の当たりにして、大変感激したそうです。
最近のフラッシュモブ事情!
フェスティバル/トーキョー
10数年で、様々に変化してきたフラッシュモブ。
これらは、メディアやSNS、インターネット時代の新たなコミュニケーションの活性化がもたらした産物です。
最近のフラッシュモブ事情はというと・・・
まずご紹介したいのが、毎年秋に開催される舞台芸術の祭典「フェスティバル/トーキョー」
2012年、2013年はフラッシュモブが注目を集めました。
池袋西口公園一帯で、ダンサー・振付師によるプログラム【F/Tモブ・スペシャル】が開催され、週末の人々が行き交う池袋の街が突然祝宴の場に変わるゲリラ的パフォーマンス!
驚きが感動に変わる“これぞフラッシュモブ”そんな楽しいイベントでした。
約1ヶ月間にわたり、アーティストがプロデュースしたフラッシュモブパフォーマンスが披露されました。
注目は一般参加型の群衆パフォーマンスに力を入れた点。
参加メンバーもプロのダンサーを起用した方が、スキルも完成度も高い作品になったでしょうが、このイベントのコンセプトは『アーティスティックな作品を都市空間にインストールすること』。
それはつまり、舞台芸術に興味のない、ただ街を歩く人たちにもパフォーミングアーツに触れてもらうということにほかなりません。
そして、重要なのは“群衆=モブ”の必要性なのです。
「群衆」の持つ、自然発生的なパワーがフラッシュモブの醍醐味だからです。
一般公募で集められたメンバーの中には、ダンサーや俳優という舞台関係者のみならず、ごく普通の主婦や学生、会社員やおじいちゃんおばあちゃんなど、老若男女様々な参加者が集まりました。
この“幅”の広さが道行く人を驚かし、足を止めさたのです。
マネキンフラッシュモブ@かながわ
中には、問題提起をしたフラッシュモブもあります。
「#マネキンフラッシュモブ@かながわ」などはその代表例。
市民団体としての側面を持つこのグループは、海老名駅前の自由通路で「アベ政治を許さない」「自由なうちに声を上げよう」などと書かれたプラカードを持ち“マネキンフラッシュモブ”と呼ばれる、数分間立ち止まりポーズを取るフラッシュモブパフォーマンスを実施しました。
約1時間、10箇所の地点を移動したということですが・・・。
この行為が海老名市の集会やデモを禁止する条例違反(海老名駅自由道路設置条例)に当たるとして、市より禁止命令が出されてしまいます。
政治的な意味合いでパフォーマンスを行うことはロシアや旧ソ連圏のフラッシュモブの歴史にもある通り、各地で行われています。
デモが弾圧される国では
「フラッシュモブのフリをしたデモ」のような、明確なメッセージを持ったフラッシュモブもあります。
静止し、プラカードのメッセージを示すことが、デモや集会のように集団で威力を示すものに値するかどうかは司法の判断に委ねることになったようですが、市民が街へ出て、何らかの主張をすることが違反行為に当たるかどうか、判決が気になるところです。
海老名市には、ほかの都市には少ない“駅前の自由道路”に対する禁止条例がある点も、議論が拡大した理由のようですね。
政治的メッセージを含んだフラッシュモブとは対照的に、広告や地方の町おこしとしてフラッシュモブを利用するといった取り組みもあります。
しかしながら、デモや、広告、町おこしなど、それぞれに目的が明確なフラッシュモブは、本来の醍醐味である“非日常”っぽさが薄れてしまいます。
それを良しとするかしないかは、企画者の考えに大きく左右されるのが面白いところのようです。
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進化し続けるフラッシュモブの世界
いかがでしたか?
新しい文化だからこそ、この先どのようなフラッシュモブが拡散され、盛り上がっていくのか、興味が尽きない世界です。
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