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フラッシュモブは楽曲が命
感動を呼ぶサプライズとして今や大人気のフラッシュモブです。
結婚式やプロポーズなどの機会にぜひやってみたいとお考えの方も多いでしょう。
ダンスにしても演奏にしても歌にしても、どんな楽曲を使用するかはとても重要ですよね。
それによって、印象がガラッと変わります。
楽曲が命だと言っても過言ではありません。
お気に入りの曲やみんなが知っている曲、盛り上がる曲を使って実行したいものです。
でも、そのためには著作権法という法律に従って、手続きをしなければいけないことをご存じでしょうか?
楽曲は著作権法で守られているのです
音楽に関しての著作権とは、楽曲の創作者に与えられる権利です。
その楽曲を多くの人に対して許可なく演奏することは認められていません。
もう一つの権利として、著作隣接権というものがあります。
それは、その楽曲を伝えるアーチストやレコード会社に与えられる権利です。
この著作権が侵害されたとなると、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金などというかなり重い刑罰や罰金が科せられます。
1999年の改正法によりそれ以前とは大きく変わり、今では避けては通れない道となっています。
でも、結婚式や披露宴では、様々なタイミングでBGMが必要になります。
もちろん、フラッシュモブにも音楽は重要です。
著作権フリーの曲や作者没後50年を過ぎて著作権が消滅している曲は許可を取る必要はないんですが、それ以外のすべての曲に関しては手続きが必要になります。
個人の楽しみなど私的な利用の場合は手続きが不要ですが、結婚式などでの使用は大勢の人の前での演奏となり、私的な利用とは認められないのです。
そもそも著作権って、何? 間違えやすい著作権と著作隣接権
著作権とは、簡単に言うと
“その音楽を作った人以外が、その音楽を通して作者に無断で利益を得ないようにする”
ということなのです。
※「音楽を作った人」…作曲者・作詞者など
著作権と一言に行っていますが、実は著作権は複数の権利の総称で、代表的なものに以下の権利があります。
- 演奏権
- 複製権(コピー)
- 公衆送信権(インターネットでの配信)
- 財産権
この中で、ブライダルの場面で関係してくるのは「演奏権」と「複製権」です。
演奏権とは?
「会場で音楽を流していいですよ」
「その音楽を演奏していいですよ」
という権利です。
披露宴の最中に、市販のCDをBGMとして流したり、友人の余興で歌を歌ったりというのがこれに当たります。
この演奏権は一般的に結婚式場や披露宴会場は「演奏権を申請済み」であることが多いようです。
日常的に音楽を流すことが当たり前の施設ですから、一括して支払っています。
では、利用者は支払わなくていいのかと言うと、そうではなく、会場と打ち合わせる時に見積もりを確認してみてください。
結婚式の予算に“音響代”として計上されていることでしょう。
複製権とは?
著作権の問題がおきやすいのは複製権です。
複製権は作詞者・作曲者の有する著作権にも、CDを制作するレコード会社の有する著作隣接権にも存在します。
※「著作隣接権」…楽曲を演奏するアーティストやレコード会社の権利
例えば・・・
- 人前式や披露宴で流すBGMとして使いやすいように何曲かを1枚のCDにまとめて収録した。
- 新郎新婦のプロフィールムービーに、流行りの音楽を入れた。
- 余興のフラッシュモブ用にCDをちょうどいい長さに編集した。
- 披露宴を撮影(余興も含めて)し、会場で使用したBGMとともにDVDに収録したい。
これらには、すべて複製権(著作権・著作隣接権)が関係してきます。
もちろん、個人で楽しむための利用であれば、お気に入りのCDを1枚のCD/DVDに収録することは違反ではありません。(私的使用のための複製)
しかし、多くの人(特定多数)に対して音楽が演奏されるブライダルでは“私的使用”には該当しません。
しかも、複製権は「著作権」「著作隣接権」のそれぞれに別々の手続きが必要なんです。
- 作詞/作曲者のAさん
- そのCDを作ったレコード会社B
AさんBさん、それぞれの許可がないと、その曲は使えない。
ちょっと、めんどくさいですよね。
でもこれが、権利として守られている『著作権・著作隣接権』なのです。
ブライダルにおけるISUMとJASRACの違い ~音楽著作権の利用申請について~
ISUM(アイサム)やJASRAC(ジャスラック)という団体名を知らない人でも、『著作権』という言葉を聞いたことがある人が多いと思います。
この『著作権』には、ブライダルの場面でも重要な“決まりごと”がたくさんあるのです。
最近はSNSでの動画投稿も頻繁に行われるようになり、以前よりも取り締まりが厳しくなったと言われています。
何も知らずに、披露宴などで好きな音楽を好きなように使用してしまうと、後でトラブルになってしまうこともあるのです。
素人にはちょっとわかりづらい『ブライダルの場面での著作権』、でもとても大切なことなのです。
著作権と言えばJASRAC!?
JASRAC(ジャスラック)は「一般社団法人日本音楽著作権協会」という団体で、日本国内の作詞者・作曲者・音楽出版者・などの『音楽を作る』人の権利を守る管理団体です。
また、海外の著作権管理団体と連携し、海外の作品の著作権の管理も代行しています。
※レコード会社の権利管理は含みません
JASRACの管理する著作権の中に「演奏権」がありますが、こちらは先ほど述べたように、会場側が利用料を支払っている可能性があります。
会場の担当者に確認しておきましょう。
その上で、自身で手続きが必要になるのは「複製権」です。
披露宴のBGM用に音楽を収録したり、DVDに音楽を入れて作ったりする場合ですが、自作の場合は利用申請が必要です。
(CDやDVDの制作を業者にお願いする場合は申請を業者がすることが一般的です)
著作権(作曲者・作詞者)の利用料はJASRACに支払えばいいのですが、著作隣接権(レコード会社)の利用料はどうすればいのでしょう?
こちらは、一般社団法人日本レコード協会へ著作隣接権「複製権」の申請も行う必要があるのです。
複製権はJASRACだけではダメで、2箇所に別々に申請して支払う・・・。
何とも複雑で、わかりにくいシステムですよね。
ご自分の結婚式や披露宴のプログラムにどんな著作権が関わってくるのか判断するのも一仕事です。
ただでさえ忙しい結婚式前の準備期間。
めんどくさいから誰か代わりにやってくれないかしら・・・?
そこで登場したのがISUMなんです。
ISUMって初めて聞いたけど、何してるとこ?
ISUM(アイサム)は「一般社団法人音楽特定利用促進機構」という団体です。
ブライダルシーンにて必要になる音楽の複製利用する際の利用手続きを代行している管理団体になります。
今までの著作権や著作隣接権の仕組みは複雑で、申請もそれぞれ別にしなければならず、大変だと述べてきました。
ISUMは個別に必要だった様々な著作権・著作隣接権の手続きをすべて代行してくれる利便性が特徴です。
ブライダルにおいて関係者が適法に楽曲を利用し、音楽業界とともに「WIN WINの関係を構築する」ことを目的に設立されました。
JASRAC、JRC(株式会社NexTone/JRC事業部)、e-License(株式会社NexTone/イーライセンス事業部)とも提携し、今まで複雑でわかりにくかった著作権・著作隣接権の権利料の支払いをオンライン上で簡単にできるシステムを提供しています。
ISUMの利用で注意が必要なのは
- ブライダルシーンに限る
- 『市販CD音源』に限り申請できる
- 申請可能な楽曲に制限がある(楽曲リクエスト受付可能)
という点です。
配信(ダウンロードした)音源やカラオケBOXで録音した音源の申請はできません。
オリジナル音源の場合と複製音源の場合
フラッシュモブで使用する音源は、オリジナルCD音源の場合と複製したCD音源の2種類が考えられます。
CDショップで購入した物やレンタルショップで借りてきたオリジナル音源を流す場合にも、もちろん手続きは必要です。
ただ、複製となるとさらに複雑になります。
著作権法と著作隣接法の両方の許諾を得ないといけないのですが、2016年以降、結婚式場などのほとんどの会場で複製音源の使用が禁止となっています。
なので、フラッシュモブの曲を無断で複製することは著作権法違反であるとともに、その演奏も規制されているのです。
現在はまだ手続きさえすれば、複製音源を使用できる所も少なからずあるみたいですが、今後はオリジナル音源の手続きのみということになりそうです。
著作権を無視したらどうなるの?
“こんなめんどくさい著作権なんて申請しなくたってバレないんじゃない?”
忙しい結婚準備に追われ、中にはこう思ってしまう人もいるかもしれません。
著作権を無視し、無断で利用したことがバレるとどうなるのでしょう?
著作権侵害は、
- 10年以下の懲役
- 1000万円以下の罰金
この、いずれか、または両方が課せられます。
著作者人格権・実演奏家人格権侵害は
- 5年以下の懲役
- 500万円以下の罰金
などと、定められています。
どの違反で、どれくらいの量刑になるかは、個々の裁判の結果次第というところです。
著作権は以前からある法律なのですが、最近になって権利保有者の姿勢が厳しくなり、裁判になることもあるようです。
不正利用が多くなってきたことが原因かもしれませんが…。
複雑でわかりにくい著作権・著作隣接権ですが、後で訴えられることがないように、きちんと手続きをしましょうね。
個人でするにはややこしい手続き
この手続きは結婚式場でのフラッシュモブであれば、その他のBGMと同じように結婚式場に依頼することができます。
結婚式や披露宴で、二人の思い出の曲や好きなアーティストの曲を使いたいと思う人は多いでしょう。
きちんと仕組みを理解して、気持ちよく結婚式を迎えられるように、疑問点はそのままにせず、ウェディングプランナーや会場の担当者に相談しながら準備を進めてくださいね。
でも、結婚式以外で実行する際には、自分たちでしなければならなくなります。
個人でするとなると、なかなかややこしいものです。
実は、そんな時こそフラッシュモブのプロデュース会社が心強い味方なのです。
依頼すれば、そのようなややこしい手続きは全て代行してくれるのです。
著作権法について知らずにフラッシュモブを実行しようとしたのなら、大変なことになってしまいます。
もし、そんなことになれば折角のフラッシュモブなのに、サプライズや感動どころではなくなります。
著作権法の手続きもプロに任せれば、安心して練習などに集中することができますよね。
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